人材サービスを全国展開する株式会社GREEN RIBBONの平均年齢は27歳。
若き社員が多い同社では、教育を通じたメンタルヘルス不調対策をはじめ、産業保健活動に注力しています。
産業保健に関する活動内容と、今後のビジョンについてインタビューしました。
平均年齢27歳。若き社員を「一人前」に育ててきた
最初に、貴社の事業内容や社風について教えていただけますか。
当社の主な事業は小売業向け人材派遣ですが、派遣の他にも、アウトソーシングや業務委託も行なっています。
また、小売りの現場で、営業や販売を行なう人材の育成にも取り組んでおります。
社員が常駐するオフィスは東京や大阪の都市部を中心に6箇所。その他、サテライトオフィスが全国各地にあります。
従業員の総数は350名程度で、東京と大阪のオフィスに社員が多いです。
平均年齢は27歳の会社です。
平均年齢が27歳とは、とても若い印象ですね。
そうですね。ちなみに、最も多い社員の年齢層は24歳です。
なぜこのように若い社員が多い会社なのかというと、それには当社の事業の特性と大きな関係があります。
当社では、人材の派遣を行なうだけでなく、GREEN RIBBONの社員として「一人前」になってもらうため教育プログラムがあります。
例えば、ビジネスにおけるマナーや接客のスキルをはじめ、各種のカリキュラムを通じて学習してもらう・経験を身につけてもらうことで、派遣先にとって本当に必要とされる人材を目指します。
お蔭様で派遣先の企業様からお声を掛けていただき、そのまま就職する、いわば「卒業」のケースが多いため、平均年齢が若いのです。
つまり、「良い意味で離職率が高い」ということになりますね(笑)。
事業の特性から、メンタルヘルス不調対策に注力してきた
教育の体制について教えていただけますでしょうか。
当社では、新入社員30名に対し、1人の先輩社員がコーディネーターとして配置されます。
コーディネーターは先輩として、些細なことでも気軽に相談が出来る相手、いわばメンターとしての役割を持っています。
「カスタマーハラスメント」といった言葉が流行したこともありましたが、小売りの現場では従業員のメンタルヘルスをケアすることは一つの課題です。
当社は、やはり小売業の現場で働く人材を育成・管理していますので、メンタルヘルスの不調対策には特に力を入れています。
小売業の現場では、接客や各種の顧客対応といった、最前線で活躍することが求められる場所ですので、メンタルヘルスの不調が発生しやすい現場とも言われています。
そこで、当社ではメンタルヘルス不調対策に力を入れています。
具体的な取組の内容についてお聞かせください。
社員のメンタルヘルス不調対策については、大きく2つの施策に取り組んでいます。
一つは、外部の専門講師を招き、定期的にメンタルヘルス・マネジメント研修を行なっていることです。
社員が自分のストレスと付き合うための「セルフケア」をはじめ、部下のメンタルをフォローする「ラインケア」などを学んでもらいます。
もう一つは、その研修の成果を活かす「コーディネーター制度」です。
これは、新入社員の複数名ごとに、コーディネーターと呼ばれる先輩社員を配置し、さまざまな相談に対応する制度。
いわば、メンター制度に近いものであり、先輩社員が新入・若手社員のフォローをする体制になっています。
そして、コーディネーターがメンタルヘルス・マネジメント研修で学んだことを、若手社員に伝えることで、全社的なメンタルヘルス不調対策につなげています。
自社の事業に理解のある産業医を求めていた
産業保健活動に注力されていますが、産業医選任の際にこだわったポイントはどのようなものでしたか。
産業医の選任時、特定の診療科の医師を希望していたわけではありませんでした。
当社で重視していたのは、「小売業の現場での産業医経験を持つ医師」であること。
同時に、フットワークの軽いことや、このご時世ですのでオンラインによる活動が可能な産業医を求めていました。エムステージを介して、希望の産業医が選任出来たことは嬉しかったですね。
また、産業医には、健康管理の専門アドバイザーとしての役割を期待しています。
例えば、もしメンタルヘルス不調者が出てしまった時の産業医面談をはじめ、休職・復職に関する判断など、解決に向けてアドバイスをもらいながら、産業保健活動をすすめていきたいです。
今後の産業保健活動について、意気込みをお聞かせください。
引き続き、メンタルヘルス関連の施策には力を入れていきます。
また、今後は産業医からも知識を提供してもらい、日常的なコミュニケーションにも活かしたいと考えています。
例えば、メンタル不調が心配される従業員がいた場合の対応で「どのような声掛けを行なうべきか」あるいは「伝えてはならない言葉は何か」といったことを、教わりながらすすめていけたら嬉しいですね。
当社で活躍する多くの社員が若者です。
そして、若い新入社員であれば、社会人としての経験を持っていないケースがほとんどなのです。
これは、これから始まる長い職業人生のスタート地点であり、大切な土台づくりの時期。
やはり、健康は日々の生活における「小さいこと」の積み重ねによるものですので、会社としてどんなことが出来るのかを常に考えながら、今後も産業保健活動に励みたいと思います。