従業員の健康のため「先手」で取り組んだ新型コロナ対策
最初に、貴社の事業内容、従業員数などについて教えてください。
当社はシステム開発・企画・保守等の事業、派遣業を行っている企業です。
エンジニア人材を教育・育成するプログラムの提供や、フリーランスエンジニアの就労支援も行っております。
従業員数は355名で、男女比はほぼ同数となっております。年齢層は平均年齢27歳で、20代の多い会社です。
コロナ禍、働き方に変化はありましたか。
1回目の緊急事態宣言が発出される前の2020年2月から、多くの従業員がリモートワークに切り替えました。
しかし、時としてどうしても出社しなければならない業務担当者への配慮として、アルコール消毒液の設置や会議室をパーテーションで区切るなどの対策を行っています。
これらの対策ですが、当社では新型コロナが大きな話題となるより以前に「新型コロナウイルス対策委員会」を立ち上げ、いち早く感染症対策に着手してきました。
また、スピーディーな意思決定のためにも、委員会のメンバーは経営層と衛生委員会の議長などで構成し、対策委員会では「新型コロナウイルス対策ガイドライン」を策定。就業時のルールや感染リスクを低減するための行動規定など示しました。
コロナ禍だからこそ、コミュニケーションと休暇・休息を大切にしたい
産業医(写真右)と担当者による打合せの様子
リモートワークでは従業員のコミュニケーションが課題になると言われていますが、どのような対応をされていますか。
コミュニケーション不足により、生産性の低下やメンタルヘルス不調が発生しないよう、従業員同士が工夫してコミュニケーションを取っています。
方法としては、オンライン会議ツールやチャットツールを使用したコミュニケーションが中心。
例えば、雑談することを目的としたチャットルームを設置して、ゆるいやりとりが出来る場を大切にしているようです。
その他にも、チームごとの定期的なオンラインミーティング、半期ごとのオンライン決起集会など、様々な形でコミュニケーションの機会を設けています。
特に、入社したばかりの従業員などは社内の人間関係がまだ構築されていないケースもあると考えられていますので、こういった自主性・文化を大切にしています。
その他、従業員の健康や働きやすさの実現のために取り組まれていることは何ですか。
2019年に有給休暇の取得が義務化されてから、取得していない従業員にアラートをメールで送り、取得を促していました。
アラートのメールはシステムからの自動配信ですが、それでも取得しない従業員に対しては手動で個別に連絡を入れています。
有給休暇の管理を始めて思ったのは、アラートが出る前に取得できている従業員と、あと2・3か月で新しく有給休暇が付与されるにもかかわらず、有給休暇をあまり取得していない従業員の二極化。
若くてチャレンジングな従業員が多いせいか、仕事に熱中してしまうようです。
しかし、体調管理も仕事のうちなので、積極的に「有給休暇を取得してください」と促しています。
この点については少しずつ改善していますが、今後は産業医と連携し、休養・休息の大切さについても社内にアピールしていきたいですね。
コストを抑えつつも、自社に最適な産業医を選任したいと考えていた
パーティションやアルコール消毒液等を配置し、感染症対策にも注力
産業医の選任はエムステージのサービスを利用していますが、サービスを選んだ理由をお聞かせください。
まずは産業医の選任にかかる費用を第一に考えていましたが、同時に選任する産業医の先生にもこだわりたかったのです。
社内で産業医の紹介会社をいくつかピックアップし、一番はじめにお電話をしたのが、コスト的にもマッチしていたエムステージでした。
連絡すると、担当者の方がすぐ打ち合わせの機会を設けてくださり、こちらの状況を丁寧にヒアリングしていただいた上で、最適なプランを紹介してもらえたことがサービスを選んだ決め手になりました。
また、産業医を選任した後の現在も、エムステージのカスタマーサポート担当の方が丁寧に支援してくださっていますので、とても助かっています。
「こんな産業医を選任したい」というご要望はあったのでしょうか。
当社の事業内容や特長、コロナ禍という世の中の状況も考慮し、精神科がご専門で従業員の悩みに寄り添ってくださる産業医を探していたのですが、おかげ様で完全に当てはまる先生もご紹介いただけました。
先生とごあいさつをさせていただいた時「この先生になら安心して悩みをお話しできる」という安心感を持ちましたし、実際に従業員からも好評の先生です。
また、従業員の平均年齢が若いこともありましたので、30代という従業員と世代が近い先生を選任できたことは嬉しかったです。
今後は、衛生委員会などを通じ、基礎的な産業保健活動をすすめつつ「健康経営優良法人」の認定も視野に入れて活動していきたいですね。
産業医と協力し、従業員に「健康のキョウイク」をしていきたい
チェックシートを用いて産業医が職場巡視を行っている様子
今後の産業保健活動について、意気込みをお聞かせください。
「サンポナビ」を拝見して、他社様の取り組みに刺激を受けております。
中には従業員数が50名以下であっても産業医の先生を選任されている会社様もいらっしゃるようで「義務だから」ではなく、積極的に従業員の心身の健康について考えなければと鼓舞されました。
当社としても、今の社会情勢上から見て、精神的な健康が健やかに保たれるような体制を強化していきたいと思っております。
例えば、業務時間外の連絡は翌日にすれば済むのでしませんし「(提出物を)遅い時間に提出します」という連絡があっても、期限がないものであれば「業務時間後はゆっくり過ごしてください」と声をかける。
こうした取組みが足掛かりになると考えています。
当社では「『キョウイク』で世界を幸せに」をスローガンとしております。
今後も産業医の先生と協力し、健康に関する「キョウイク」もできれば、ますます会社も成長できると思いますので、積極的に取り組んでいきたいと思います。