再生医療関連事業を手がけるセルソース株式会社は、産業医の選任義務が発生する事業場の従業員が50人を超える前に、エムステージの「産業医サポートサービス」を導入しました。
創業当時からフレックスタイム制を取り入れるなど、従業員の働きやすさや健康を重視してきた同社。
2019年7月に初めて開く衛生委員会を前に、裙本理人代表取締役社長CEOと、経営管理本部管理部の笹川麗佳さんに、健康経営への思いや、エムステージのサービスを選んだ理由を聞きました。
右:笹川 麗佳(ささがわ・れいか)
2018年10月1日セルソース株式会社入社。
経営管理本部管理部配属。 主に労務・社長秘書業務を担当。
左:裙本 理人(つまもと・まさと)
セルソース株式会社代表取締役社長CEO(最高経営責任者)。
神戸大学発達科学部卒業。住友商事株式会社に入社しロシア・北米地域の木材資源関連ビジネスを担当。2007年よりロシア サンクトペテルブルグ大学にロシア語学研修生として留学。その後、極東のプラスタンにて、ロシア最大級の木材加工工場立ち上げプロジェクトに従事。
商社の最前線で様々な情報に触れる中で、これからの社会における医療の可能性と必要性に着目。その中でも臨床の段階に進み始めたばかりである再生医療の分野での挑戦を決意。2014年、再生医療等安全性確保法が施行されるタイミングで住友商事を退職し、再生医療関連の事業をスタート。2015年、セルソース株式会社を設立し代表取締役に就任。真に社会から必要とされる事業創りに邁進している。
創業当時からフレックスタイムを導入
事業内容や従業員数を教えてください。
笹川さん:再生医療を実施する医療機関向けに、脂肪由来幹細胞や血液組織の加工受託、関連法規の対応サポート等を行っています。
東京都渋谷区に本社と再生医療センターがあり、従業員数は本社が派遣従業員を含めて42人、再生医療センターが21人です(2019年7月30日現在)。
従業員の健康や働きやすさの実現のために取り組んでいることは何ですか。
笹川さん:弊社は拠点や職種に関わらず、フレックスタイム制を導入しています。11時から15時までのコアタイムはありますが、従業員は各自で出社時間や退社時間を判断しています。
裙本CEO:朝9時までに出社しなければならないという縛りからスタートする1日ってちょっときつくないですか?
働き方は多様化していますし、定時でしばるよりも、フレックスにした方が生産性は絶対に上がります。
必要な打ち合わせはコアタイムに設定していますが、業務に全く支障は起きていません。
仕事をする上で一番大切なことは「健康」
経営者として、健康経営に力を入れる理由は何ですか。
裙本CEO:仕事をする上で一番大切なことは、健康だと思っています。
健康でなければ、情熱や誠実さを持って働くことが難しくなりますから。会社としても、従業員の健康は一番大事ですし、私自身、健康状態を常にキープすることを心がけています。
また、従業員には病気になったり体調不良だと感じたりしたときには、積極的に休むように伝えています。
無理して働いても生産性は低く、意味がありません。
セルソースは「意味のあることをやろう」という会社です。「体調が悪いなら、家で休んでいたほうがいい」と従業員みんなが思えるような会社にしたいんです。
従業員の評価についても「結果にコミットしてもらっているか」ということを重視します。
その結果を出すための勤務時間や休みについては従業員を信頼して、それぞれの判断に任せています。
また、われわれの事業は再生医療関連サービスですので、医師と仕事をする機会は多いのですが、その先には患者さんがいます。
たとえば整形外科の医師からは膝が痛くて仕事ができなくなる、仕事をしにくくなるという患者さんの話を頻繁に聞きます。
その膝が再生医療によって治ることは、患者さん本人がハッピーになるだけでなく、患者さんが勤めている企業に対しても価値を提供していると思っています。それはまさに健康経営に関わる事業です。
そんな事業をしている会社ですからなおさら、従業員の健康を大事にしていくべきだと考えています。
従業員50人未満の事業場を対象にした産業医サポートサービスを導入
事業場の従業員が50人になる前の段階で、産業医の選任、衛生委員会の立ち上げなど産業保健体制を整えたのはなぜですか。
笹川さん:おかげさまで、取引をさせていただいている医療機関数、受注数が増えており、どの部署も大変忙しい状況です。
従業員一人当たりの責任も大きく、一人でも欠けてしまうと会社として大きな損失になります。
今後の事業拡大を見据えて、従業員が働きやすい環境をこれまで以上に整えるために、産業保健に早めに取り組むことになりました。
弊社の産業医サポートサービスを選んでいただいた決め手は何でしょうか。
笹川さん:エムステージさんを合わせて3社のサービスを検討しましたが、エムステージさんには、従業員数50人未満の事業場を対象にしたプランがあり、柔軟に対応していただけそうだと感じました。
また、産業保健の体制整備に初めて取り組むためにわからないことが多かったのですが、営業の方に専門的な知識を教えていただいたり、助言をいただいたりしたことも心強かったです。
衛生委員会の議事録など必要な書類についてフォーマットが用意されていることも助かりました。
相談しやすく、「一緒にいい会社にしよう」と思ってもらえる産業医を希望
どのような産業医の先生をご希望でしたか。
笹川さん:一番の条件は「相談をしやすい先生」です。また、弊社の従業員は30代が多く、半分が女性のため、女性で従業員と年齢の近い先生を希望しました。
産業保健体制の整備が初めてですので、衛生委員会などは引っ張っていただきたいですし、会社の状況に柔軟に対応しながら「一緒に、いい会社にしよう」と思っていただける先生がいいなと考えておりました。
ご紹介いただいた先生は、とてもやわらかい雰囲気で、どの社員も相談しやすい方だと感じ、お願いすることになりました。
今後はストレスチェックや健康教育にも取り組みたい
弊社サービスの導入や産業医選任により期待する効果は何ですか。
笹川さん:健康に対する従業員それぞれの意識を高めていきたいです。
これまでも、社長が従業員の健康を第一に考えているということは伝えてきていますが、健康のための具体的なアプローチについて、産業医の先生から専門的な教育をしていただきたいです。若い従業員が多いので、食生活や睡眠などの生活習慣について健康教育などもしてきたいです。
これから衛生委員会の立ち上げ、産業医活動が始まりますが、そのほか産業保健関連で今後取り組みたいことはありますか。
裙本CEO:ストレスチェックの実施ですね。
現在も従業員のストレスの状態には気を付けています。
私は全従業員と年2回面談する機会を持っているのですが、従業員にとっては健康面や働き方を相談する場にもなっています。その面談を受けて、働き方や仕事内容を変えたケースもあります。
そのほか、私自身が従業員の言葉の端々の変化やメールのレスポンスのスピードなどからストレスを感じ取って、配慮できることもあります。
しかし、今後事業が拡大し、従業員が増えるにつれ、私が一人ひとりの状況を把握していくことは難しくなります。
定量的な評価でなければ漏れが生じますので、ストレスチェックを導入し、トラブルが起きる前に、会社として従業員のストレスの兆しをくみ取れるようにしたいです。
これから衛生委員会を開いたり、産業医面談が始まったりすると見えてくる課題もあるでしょうから、産業医の先生からのフィードバックを踏まえながら、体制を整えていきたいです。
産業医が選任され、相談ができる環境ができたことは、従業員の安心感につながります。現在育児休業中の従業員もおりますので、復帰の際のケアについても相談させていただくこともあると思います。
また、われわれの事業に関連したもので言えば、今後、事業である再生医療関連サービスを自分の健康のために必要とする従業員が出てきたら、なんらかの形で還元できるようにしたいと考えています。