福井に本社を構え、システム開発・販売に携わる株式会社江守情報。従業員の約7割をエンジニアが占める同社では、「従業員一人ひとりが安心して長く働き続けられること」を大切にし、多様な制度の運用や健康管理を推進しています。
一方で、メンタルヘルス不調の予防や、オフィスの拠点が分散する中でのフォロー体制、さらに「ストレスチェックを実施しても産業医面談の希望者が限られる」という課題がありました。
同社はいかにしてその課題を解決し、面談実施数を増加させたのか。オンライン産業医面談『Sanpo保健室』の導入背景と活用法について、人事部の皆様にお話を伺いました。
| お話を伺った方 株式会社江守情報 コーポレート本部 人事部 人事課 長谷川様(2021年入社)/ 小笠原様(2023年入社) / 河村様(2025年入社) 人事部にて、グループ会社を含む給与計算・社会保険手続き・労務管理および従業員の健康管理業務を幅広く担当。 |
メンタルヘルス不調に対する適切なフォロー体制を作りたい、導入前に抱えていた健康課題

ミーティングスペースで行われる意見交換の風景
貴社の従業員構成や働き方、これまでの施策についてお聞かせください。
福井の本社をはじめ、東京・大阪・丸岡・鯖江・金沢の各オフィスにグループ4社を合わせた計5社で、20代から60代まで363名(※)が在籍しています。従業員の約7割をエンジニアが占めています。
育児や介護、健康課題など従業員を取り巻く環境が多様化するなかで、当社では『一人ひとりが安心して長く働き続けられること』を何より大切にしています。
そのため、出社を原則とする一方で、月に一定日数の在宅勤務制度を取り入れるほか、「リフレッシュ連続休暇取得支援」「介護休業中の手取り保障」、新入社員が対象の「奨学金返還支援制度」などを導入し、多様な人材がライフステージに応じて活躍できる環境づくりを進めています。
※2026年7月31日時点(役員・派遣社員等を含む)。
従業員の健康管理面で課題に感じていたことを教えてください。
メンタルヘルス不調の予防と早期対応に向け、以前からフォロー体制を充実させる必要性を感じていました。ただ、オフィスやグループ会社が各地に点在しているため、各拠点の状況に応じたきめ細かな対応が難しいという課題がありました。
定期健康診断やストレスチェックは法定どおり実施していたものの、課題となったのはその後の体制で、健康診断で所見があった従業員への対応が追いつかない場面がありました。
またメンタルヘルス不調は早期発見・早期対応が大切になりますが、不調を抱える従業員から相談がなければ、人事部が状況を把握しにくいという難しさがありました。
さらに、従来の月2回の産業医訪問体制では面談時間が限られており、日程調整も人事部では負担になっていました。調整がつかず、面談が翌月まで延びることもありました。また、県外拠点の従業員にとっては、対面したことのない産業医に相談することへの心理的なハードルもあったと感じています。
『Sanpo保健室』導入の決め手は「最短2営業日で面談できるスピード感」と「専門職の幅広さ」
オンライン産業医面談『Sanpo保健室』の導入の決め手や、魅力に感じた機能・サポートについて教えてください。
一番の決め手は、最短2営業日でオンライン面談の日程調整ができる仕組みです。不調があって「面談が数か月先」となると悪化してしまうリスクがありますが、自由な日程で必要だと感じたタイミングで、すぐ相談につなげられる点が大きな決め手となりました。
また、当社の産業医は内科が専門でしたので、メンタルヘルスの相談に対して心理職や精神科医、保健師といった多様な専門職を選べる点にも大変魅力を感じました。
機能面では、面談報告書も提出が早く、本人の同意のもとで報告書を所属上司に共有することで、専門職の客観的な意見をもとに現場を巻き込んで迅速に対応できる点も助かっています。
3つの相談先を選べる事後措置で、面談実施数が大幅に増加
導入後、『Sanpo保健室』をどのように活用されていますか?
2025年度から、ストレスチェック後の事後措置として、従業員が自分で相談先を選べる「選択型面談」を本格的にスタートしました。面談先の選択肢として、①産業医 ②『Sanpo保健室』 ③コミュニティナース(※)の3つを用意しています。
※地域やコミュニティの中で、健康問題や生活課題に取り組む活動を中心とする地域看護師。
| 【株式会社江守情報のストレスチェック事後措置 運用フロー】 (1) 従業員一人ひとりが、状況や希望に合わせて選べる3つの相談窓口を提供 ① 産業医面談(対面) ② Sanpo保健室(オンライン) ・産業医、保健師、心理職等によるオンライン面談 ・主にメンタルヘルスの悩み、ストレス全般について相談したい場合に利用 ③ コミュニティナース(対面/オンライン) ・外部のコミュニティナース(地域看護師)への相談 ・主に地元の病院との関係づくり、介護や病気に関して相談したい場合に利用 (2) 相談窓口の案内・フォローアップ 【STEP 1】全受検者への案内 ストレスチェック受検後に、受検者全員へ上記の相談窓口を案内 【STEP 2】個別のフォローアップ 高ストレス者/高ストレス予備軍(社内基準)へ個別に面談推奨のメールを送付 【STEP 3】再フォロー 面談未実施の要注意者に対して再度フォローアップメールを送付 |
上記の施策を導入した背景をお聞かせください。
従業員一人ひとりの状況や希望に合わせて相談先を選択できるようにすることで、面談実施のハードルを下げ、必要な支援につなげたいと考えたことが導入の背景です。
『Sanpo保健室』は柔軟で多様なメニューがそろっているため、メンタルヘルスやストレス全般の相談には『Sanpo保健室』、介護やご自身の病気、地元の病院との関係づくりに関する相談は『コミュニティナース』、健康診断結果に関する保健指導や相談は『産業医』というように、求めている対応に合わせて使い分けてもらっています。
社内への周知方法で工夫された点はありますか?
社内イントラネットを活用して制度の周知をしつつ、ストレスチェック受検者全員に対してメールで窓口を案内しています。
受検者全員に案内する理由は、産業医からのアドバイスがきっかけです。一時的な状況の影響を受けて、高ストレスと判定されていなくても、実際にはストレスを抱えているケースがあるため、まずは従業員に案内することが大切だと、ご助言をいただきました。
加えて、高ストレス者などの対象者には個別でもメールを送り、必要な方へ確実に情報が届くようフォローしています。案内の際には、気軽に申し出てほしいという思いや、プライバシーは絶対に守られるという旨をしっかり書き添えることで、相談への心理的なハードルが上がらないよう意識しました。
制度導入後、効果や社内の反応はいかがでしたか?
制度導入後は面談の利用が広がり、これまで相談をためらっていた従業員も、必要な支援につながりやすくなりました。
3つの相談先すべてに申し込みがありました。特に『Sanpo保健室』ではメンタルヘルスに関する相談が多く、従来は相談をためらっていた従業員も利用しやすくなったのだと感じています。
従業員からは、オンラインで気軽に予約できる点や日程調整のしやすさについて好意的な声が寄せられています。産業医だけではなく、保健師や心理職など自分に合った相談先を選びやすくなったことも、利用促進に大きくつながっていると実感しています 。
また、オンラインかつ個人の都合に合わせた自由な日程で予約できるため、人事側の日程調整業務も大幅に軽減されました。
不調の予防と早期発見へ。「安心して長く働ける職場」を支える伴走者として期待

開放感にあふれるオフィス空間(丸岡オフィス)
今後、従業員がより安心して働ける職場を作っていくうえで、『Sanpo保健室』に期待する役割やサポートをお聞かせください。
今後は、心身の不調が表れてからの対応だけでなく、その兆候を早期に捉え、不調を未然に防ぐ取り組みにも力を入れていきたいと考えています。
企業側だけでは気づきにくい潜在的なリスクや課題についても、専門的な視点からアドバイスやご提案をいただきながら、従業員が安心して長く働き続けられる組織づくりに向けて、今後も伴走していただけることを期待しています。