保険代理店事業にとどまらず、金融系企業への経営支援まで多岐にわたるサービスを提供する株式会社ほけんのぜんぶ。同社では、「人材は資産」と考え、いつまでも働き続けたいと思える職場づくりに取り組んでいます。
同社が抱える職場環境課題や、ストレスチェックツール『Co-Labo』、オンライン産業医面談『Sanpo保健室』の導入後の変化についてお話をうかがいました。
「いつ声をあげれば良いか分からない」仕事に打ち込むあまり、放置される不調

貴社の職場環境課題を教えてください
保険商品をご提案するファイナンシャル・プランナーには、対面営業と非対面営業があり、それぞれで課題が異なります。
非対面の電話でご提案する場合、不明点があれば常駐をしている上司に相談をすることができる環境ではあるのですが、常に多くのお客様対応をしているため、場合によっては、早急な相談対応が難しいという課題があります。
また、対面で商品をご提案するファイナンシャル・プランナーは、外回りのため体力的な負担が大きく、本人の裁量次第では長時間労働が発生しやすい点が課題です。
当社の働き方は固定給に加えてインセンティブがあり、スケジュール管理も従業員に任されています。そのため、個人の成果が報酬につながりやすく、自由度が高いことが特長です。
一方で、「お客様のためなら」という熱意と責任感から、本人のキャパシティを超えた働き方をしてしまうケースも少なからずあります。
対面・非対面に関わらず、「どの段階で、誰に、どのように声をあげたら良いのか分からない」と感じている状況があるようですので、気軽に相談できる体制の整備や、コミュニケーションの質向上が必要だと感じています。
『Co-Labo』と『Sanpo保健室』の活用で、従業員の不調をキャッチ
ストレスチェックツール『Co-Labo』を導入して良かった点や、今後活用したい機能を教えてください
『Co-Labo』の管理者画面では、未実施者の確認や、受検勧奨メールを配信することができるので、前年度よりも受検率が高くなりました。
今後は、集団分析機能を本格的に活用していきたいです。漠然とコミュニケーションに課題があるのではないかと感じていますが、具体的なストレス原因などをデータで可視化することで、より効果的な職場環境改善につなげていきたいです。
オンライン産業医面談『Sanpo保健室』を導入された経緯をお聞かせください
全国各地の事業所を含めたすべての従業員が、悩みや不調が発生した時に、すぐに相談できる環境を整えたいという思いから『Sanpo保健室』を導入しました。
また、産業医面談を勧めても、「産業医の先生に相談するほどではないかもしれない…」と乗り気でない従業員もいて対応に悩んでいましたが、「産業医との面談がハードルが高いと感じる場合には、保健師や心理職などの産業医以外の専門職の面談を設定するといいですよ」と当社の状況に合わせて提案していただきました。
面談に対する心理的ハードルを下げることが、不調の早期対応につながるのですね
実際に、保健師面談を希望する従業員も出てきており、これまで顕在化してこなかった相談のニーズに対応できる可能性を感じています。「いつ声をあげれば良いか分からない」と感じている従業員が、気軽に相談できる窓口として『Sanpo保健室』を活用していきたいです。
また、従業員と面談をして終わりではなく、面談内容のフィードバックが会社側にもあることが魅力の一つと感じています。
健康経営優良法人の認定取得に向けて

今後さらに注力していきたい取り組みはありますか?
今後も継続的なハラスメント研修を検討しています。
ハラスメントに該当しなくとも、双方の価値観の違いからコミュニケーションギャップが発生しうるので、相互理解のための研修を実施する必要があると感じています。
また、何らかの不調によって休職をしたとしても、そのまま退職してしまうのではなく、復職をして元気に働いてもらえるよう、休職期間中に会社としてできる支援方法を模索していきたいです。せっかくご縁があって入社してくださっているので、健康で長く働いてほしいですね。
課題はたくさんあるので、できることから一つずつクリアしていくのが当面の目標です。
以前にも健康経営®︎優良法人の認定取得を目指したものの、当時は体制が整わず一度見送ったことがありました。『Co-Labo』や『Sanpo保健室』の導入によって、少しずつ従業員の健康状態を把握できるようになっていますので、健康経営優良法人認定取得はもちろん、「ホワイト500」の取得を再び目指していきたいと考えています。
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。