株式会社SUBARUのグループ会社として、自動車の純正用品・アクセサリーの開発や販売を行っているスバル用品株式会社。本社がある埼玉県の「多様な働き方実践企業」や「シニア活躍推進宣言企業」に認定されるなど、柔軟な働き方の推進に注力しています。
ストレスチェックの活用によって明確になった健康課題について、人事部の小原さん、稲村さん、河野さんにお話を伺いました。
小原さん:2021年スバル用品株式会社入社、人事部リーダー。
稲村さん:2017年からスバル用品株式会社に勤務し、これまで労務関係、総務、安全衛生業務に携わる。現在も継続して人事部にて従業員の勤怠管理や福利厚生の運営面、安全衛生、総務全般など、幅広い人事労務業務を担当されている。
河野さん:株式会社SUBARUにて約23年間従業員の福利厚生や安全衛生、教育他に携わる。2024年4月よりスバル用品株式会社へ出向し、人事全般を担当されている。
世の中の動きに合わせた柔軟な働き方を推進
「埼玉県多様な働き方実践企業」や「シニア活躍推進宣言企業」に認定されていますが、具体的な取組内容を教えてください
小原さん:育児休業や短時間勤務、テレワーク、フレックスタイムといった、ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける制度は以前から導入していました。
シニアの働き方については、定年は60歳と定めていますが、65歳まで1年ごとに契約更新が可能な制度があります。
これまで培ってきた知識や経験を活かして、年齢に捉われずになるべく長く会社で活躍してもらえるよう、今後も推進していきたいです。
また、従業員の年齢が上がるにつれて、生活習慣病などの持病を抱える従業員が多くなります。各事務所、各地区にて安全衛生委員会を設置し、病気を予防するための注意喚起や、治療と仕事を両立させるための支援を行っています。
世の中の動きに合わせて、従業員が働きやすい環境を整えるようにしています。
ストレスチェック「Co-Labo」の利用を始めたことで、今まで気が付かなかった組織課題を発見
これまでの産業保健活動の取組や、貴社が抱えている健康課題について教えてください
稲村さん:産業医に関しては、一部の事務所に新たに産業医を選任することになった際に、エムステージの産業医紹介サービスを利用しました。
希望どおりの産業医の先生を見つけてくださり、また期待以上の働きをしていただいており非常に満足しています。
ストレスチェックは以前から実施していましたが、以前は医師会から発行された紙ベースで運用をしていました。コロナ禍に在宅勤務が始まったことから、ストレスチェックをWebで受検できるツールとして、エムステージの「Co-Labo」を導入しました。
「Co-Labo」を導入したおかげで、対人関係ストレスが他の項目に比べて少し数値が高いことが分かり課題が明確になりました。また、ボタンを押すだけですぐに分析結果が表示され、何が自社の課題なのかを把握することができ、改善のための具体的な施策案も出しやすい点が魅力に感じています。
対人関係ストレスに関しては、仕事において何を重んじるかといった従業員同士の価値観を共有することができていないところが原因だと考えています。社歴や配属先の環境に関係なく、互いの価値観を認め合えるよう、コミュニケーションの改善を図っていくことが課題の一つです。
改善課題のうち、一部の事務所は建物自体が古いため、従業員の職場環境ストレスにつながっている可能性があると分かりました。例えば、トイレなどの水回りの設備が不十分であったり、フロア面積に対して机や椅子の数が多く、空気の流れが悪かったりするなどの物理的な課題があります。
今年度中に少し広いスペースへと移転をする予定なので、移転前後で数値が改善するのかを比較したいと考えています。そのためストレスチェックの実施時期を例年とは変更することも検討しています。
「Co-Labo」の結果報告書の作成や、報告会の実施の委託まで一貫してエムステージのサービスを活用していただいているとお伺いしましたが、報告会の反響はいかがでしょうか?
稲村さん:ストレスチェック結果を社内全体で共有するため、結果の報告会を行うようになりました。全管理職が参加しており、会社としての健康課題や改善方法が明確化されるようになったため、上層部からも好評です。
小原さん:一昨年度から計2回「Co-Labo」を利用したことで、改善がされたこともあれば、改善が不十分であるところも把握できたことが有益でした。今後は改善が不十分なところを重点的に対策していきたいと考えています。
従業員がお互いのことを理解し合う組織を実現したい
最後に、産業保健活動に関して今後の展望を教えてください
稲村さん:体調不良や健康状態、仕事以外のプライベートな問題など、社内では話しにくい悩みがある従業員に配慮した取組を進めていきたいです。外部相談窓口サービスの利用に関心があります。
また、世間では部下から上司へのハラスメントが増加しているということも耳にします。そのため、管理職以外の従業員も対象とし、ハラスメントへの意識を全社員共通で高めていきたいですね。
小原さん:人と人が協力して何かに取り組もうとするとき、お互いの認識が違うというケースはよくあります。例えば、意図しない形で相手に伝わってしまうようなことです。
お互いのことを理解しあいながら仕事ができるような組織づくりを進めていきたいです。
河野さん:ハラスメントを起こさないという意識を従業員一人ひとりがもつことが重要だと考えています。そのためにも、ハラスメントを社内の課題だと認識し、従業員の意識を変えられるように取組を徹底していきたいです。