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大同生命保険株式会社

2017年に健康経営を宣言「DAIDO-ココ・カラ」と称して積極的に推進する大同生命の健康経営の取組み

大同生命保険株式会社 / 人事総務部 / 増岡 博史様

  • 導入の背景

    過重労働による健康障害の防止やメンタルヘルス対策等の重要性が増す中で産業医に求められる役割が大きくなり、対応すべき業務が増加。 定期健診の結果に応じて行なう「事後措置」や、メンタル不調な方への健康相談などは、随時迅速に対応することが重要であり、職場の近くに産業医を選任することを決定。

  • 導入の効果

    「人柄」と「コミュニケーション能力」を重視して産業医を選任。支社長との事前面談を義務付けたことから、「いい産業医に来てもらった」との声が届いている。

経済産業省の運営する「健康経営優良法人」の認定を受けることは、企業にとって大きなメリットがあり、注目が高まっています。

大同生命保険株式会社では、自社独自の健康経営プログラム「KENCO SUPPORT PROGRAM」を運用し「健康経営優良法人認定 ホワイト500」の認定を取得。

健康経営への先進的な取組について、同社の活動を推進する人事総務部の増岡博史さんにお話を伺いました。


大同生命保険株式会社

大同生命は1902年(明治35年)、「加島屋」が主体となって、朝日生命(現在の朝日生命とは別会社)、護国生命、北海生命の3社が合併して創業。1960年代から他社に先駆けて中小企業市場に特化した独自のビジネスモデルを構築し、中小企業を取り巻く環境変化をふまえた商品・サービスの提供を続け、中小企業の発展に貢献しています。


健康経営「DAIDO-ココ・カラ」の概要とは

最初に、現在ご担当されている業務について教えていただけますか

大同生命保険株式会社 人事総務部 部長の増岡博史と申します。

当社において「健康経営の推進」や産業保健を含む「健康管理業務」を担当しており、大同生命健康保険組合の常務理事も兼務しています。

NHKの連続テレビ小説にもなりましたよね

当社の創業者のひとりである広岡浅子が2015年のNHKの連続テレビ小説「あさが来た」のヒロインのモデルとなりました。

私も毎日録画して見ていましたが、おかげさまで大変好評で当社の知名度もぐっと高まりました。

このビル(大阪本社)の2階に「加島屋と広岡浅子の特別開示」を開催していましたが、ドラマが大きな話題となり、多くのファンにご来場いただきました。

現在も来場者が途切れず、会期を延長していますので、今日はぜひご覧になってお帰りください。

ありがとうございます(笑)。ビルで見かけた従業員の方々はカジュアルな服装でしたが、大同生命では服装を自由とされているのですか?

そうです。実は、組織風土改革の一環として、2019年11月から服装を自由化(D-カジュアル)しました。

「新しいアイデアの発想」「自主性・主体性の発揮」「社内のコミュニケーションの活性化」を実現しやすい職場づくりを目指したものです。

「服装をきっかけに会話が増えた」「職場の雰囲気が柔らかくなった」などの声もあり、3か月が経過して浸透しつつあると思っています。

経済産業省の「健康経営優良法人 ホワイト500」に認定されていますが「健康経営への取組み」についてお聞かせいただけますか

当社では2017年1月から、従業員一人ひとりが心身ともに健康であることが企業の成長にとって大切と考え、健康経営に関する取組みを「DAIDO-ココ・カラ」と称し「健康リスクの把握・管理」「健康保持・増進」「労働時間の縮減」を三つの柱としてさまざまな取組みを実施してきました。

【大同生命の健康経営に関する主な取組み(2017年1月の宣言内容)】

健康経営の「三つの柱」の具体的な内容とは

1つ目の柱「健康リスクの把握・管理」の点では、どのような取組みをされていますか

なんといっても「定期健診」がベースとなります。

定期健診の結果、「要精密検査」などとされた者へは二次健診を受診するよう指導したり、定期健診と合わせて行なう特定健診に基づいて「特定保健指導」を受けるよう指導したりしています。

また、それらの結果によっては産業医の意見も聞いた上で就業制限の要否を検討する「事後措置」も行なっています。

このように「健康リスクの把握・管理」は定期健診が最も基本となる取組みであり、受診率100%を維持しているほか、「KENCO SUPPORT PROGRAM(以下、「KSP」と記載)」というソフトを導入し、従業員に対して自身の過去の定期健診の結果をいつでも確認できる環境を整備しています。

メンタルヘルス面の取組みについてはいかがでしょうか

管理監督者が組織の所属員のメンタルヘルス不調を把握し、組織としてメンタル不調者の個別の指導・相談や職場環境改善を行なう「ラインケア」が重要であると考えています。

そこで、管理職全員が「メンタルヘルス・マネジメント検定(大阪商工会議所主催)」を取得することとしています。

これにより、職場で上司が部下のストレスに早めに気づき、メンタル不調を未然に防止することや、メンタル不調が見られた場合でも安全配慮義務に則った適切な対応を可能とする土台づくりを行なったわけです。

現在では、管理職の95%以上が「メンタルヘルス・マネジメント検定」を取得しています。

柱の2つ目「健康保持・増進」の点では具体的にどのようなことに取り組んでいるのですか

先ほど従業員に対して過去の定期健診結果を「KSP」によりいつでも確認できる環境を整備しているとご紹介しましたが、このプログラムは「血管年齢」や糖尿病・脳卒中などの罹患リスクの度合いを知ることができるほか、ウェアラブル端末などを使用して得た歩数、体重、エネルギー消費量、睡眠状態などを連携させて、日々の健康増進の取組みに役立てることもできます。

ウェアラブル端末は購入費用を補助していることもあり、多くの従業員が身に着けています。

また、年に3回程度、1か月ほどの期間「ウォーキングキャンペーン」を開催し、従業員のヘルスリテラシーの向上に努めていますが、「KSP」には「ポイント付与」の仕組みがあり、この「ウォーキングキャンペーン」のインセンティブにもしています。

3つめの柱「労働時間の縮減」にはどのようなものがあるのでしょうか

かなり以前からパソコンの”強制シャットダウン”を実施していますが、その時間も順次早めており、現在では19時としています。

この他、可能な限り16時、遅くとも17時に退社する「ゆう活」や、「在宅勤務制度」、テレワークのさらなる促進に向けた「サテライト・オフィス」の設置など、さまざまな取組みを行なっています。

また、年5日の有給休暇の取得が義務化された労働基準法の改正に対応し、新たに「四半期計画年休」を設けるなど休暇を取得しやすい環境を作っています。

「産業保健体制」を一層強固にするために…「産業医への社外医師の導入」

産業医の選任はエムステージの紹介サービスを利用されていますね

生命保険会社である当社には、生命保険ご加入時の診査を担う「社医」と呼ばれる医師がいますので、原則として、社医が産業医資格を取得し、各拠点の産業医となる体制としていますが、例えば福岡支社に駐在する社医が沖縄支社の産業医も担当するなど、勤務地から遠方の拠点を担当するケースがありました。

近年、過重労働による健康障害の防止やメンタルヘルス対策等の重要性が増す中で産業医に求められる役割が大きくなり、対応すべき業務が増加しています。定期健診の結果に応じて行なう「事後措置」や、メンタル不調な方への健康相談などは、随時迅速に対応することが重要であり、そのためには産業医が職場の近くにいる必要があります。

このような背景を踏まえて、全国の拠点のうち21拠点で「産業医の紹介」で定評のあるエムステージさんにお世話になることにしました。

産業医を選任する際にこだわった部分はありましたか

産業医は当社の大切な従業員と向き合っていただくことになりますので「人柄」と「コミュニケーション能力」が重要だと考えました。

そこで、エムステージさんから紹介された医師には支社長に必ず面談するよう義務付けました。

おかげさまで「いい産業医に来てもらった」という声も届いています。

「大切なのはPDCAサイクルを確立していくこと」…今後の展望

健康経営について、今後はどのように取り組んでいくことが大切とお考えでしょうか

健康経営を宣言(「ココ・カラ宣言」)してから3年が経過し、この間、さまざまな施策を実施してきました。

今後は、健康経営の「PDCAサイクル」を確立していくことが重要だと考えています。

「健康経営優良法人 ホワイト500」の認定を継続していくことはもちろん、実施してきた施策を評価して、課題発見、よりよい施策の実施へとつなげていく必要があるとともに、施策一つひとつの評価だけでなく、当社の健康経営の全体像や方向感に問題がないか常にチェックしながら推進していくつもりです。

最後になりますが、当社は中小企業をお守りすることを使命としており、健康経営の推進ツールである「KSP」は、お客さまである中小企業にも導入をお勧めしています。

つまり、お客さまにも胸を張れるような健康経営を実践できていなければなりません。

健康経営にゴールは無いため、今後も進化し続けていきたいと思っています。


プロフィール

増岡博史(ますおか・ひろふみ)

1987年入社。広島県、三重県で営業担当、その後、大阪本社、東京本社にて契約管理部門・営業企画部門などを経て現職。妻と娘の三人家族。週2回程度スポーツジムに通うなど、自らの健康増進にも熱心。


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