1976年、デンマークで設立されたDSVは、世界で4番目に大きな輸送およびロジスティクス企業であり、全世界で約5万5千人の従業員が働いています。
同社の日本法人であるDSV Solutions株式会社では、健康診断・ストレスチェックといった基本的な活動を大切にしつつ、産業医との連携を通じ健康経営を推進。
産業保健に関する活動内容と、今後の展望についてインタビューしました。
物流業界において世界シェア4位の企業が大切にしている産業保健活動とは
はじめに、貴社の事業内容や従業員数などについてお聞かせください。
DSVは全世界に拠点を有し、約5万5千名の従業員が働く輸送およびロジスティクス企業で、全世界4位のシェアを有しています。
東京都内をはじめ、横浜など日本国内にも複数の拠点がありまして、およそ200名(派遣含む)が働いています。
また、日本法人に関していえば平均年齢は35歳程度で、男性従業員の割合が多く、全体の9割を占めています。
産業保健活動における取組の内容と、課題に感じていたことがあれば教えてください。
適切な産業保健活動を行なう上で、まずは従業員の健康状態を把握することが重要だと考えています。
ですので、これまでに健康診断の重要性を伝えると同時に受診を促してきまして、現在では受診率100%を達成しています。
一方、喫煙率はなかなか0%にならない状況ですので、この点についてはフォローを行なっていきたいですね。
また、物流・ロジスティクス業ですので、例年12月から1月がとても忙しいシーズンになります。
同時に、繁忙期を迎えると従業員にかかる負担も増えていきますので、メンタルヘルス不調対策に力を入れたいと考えていました。
会社として、健康増進のためどのような活動に取り組まれていますか。
当社の代表は健康に関する興味・関心が高いため、多彩な健康施策を用意しています。
日本法人での働き方に関して言えば、全社的にフレックスタイム制を導入していますし、ワクチン接種休暇なども整備しています。
その他、ユニークな取組みもいくつかあるのです。
例えば、山手線沿線を走り、走った距離に応じて募金が出来る「マラソン募金イベント」をはじめ、釣り大会や地域清掃など、楽しみながら身体を動かすことが出来る施策を用意。
昨今では新型コロナウイルスの流行もあってなかなか実施できないイベントも多いのですが、「楽しく健康を目指す」この辺りのユニークさが、やはり海外の会社らしいところなのだと思います。
4つの事業場で同一の産業医を選任し、メリットを実感
産業医の選任時にこだわったポイントがあればお聞かせください。
産業医を選任する際には、人柄を重視して選ばせていただきました。
やはり、従業員にとって健康に関するさまざまな内容を話しやすいことは重要です。また、女性の従業員でも相談しやすいようにと考え、女性の産業医を選びました。
来ていただいた先生はとても気さくで話しやすい先生ですが、注意すべきところはしっかりと教えていただけるのでとても満足しています。
例えば、当社には倉庫も有しておりますので、職場巡視をとても大切にしているのです。
日々の業務の中で、どうしても業務の効率を優先した物の配置になってしまいがちですが、産業医として時にきびしく指摘してくださっていることは、とても感謝していますね。
産業医の選任において、エムステージを選んだ理由について教えてください。
産業医を探すにあたって、紹介会社についてはいくつか比較させていただきました。
エムステージを選んだ理由は産業医の選任後もサポート体制が整備されていたこと。
例えば、提供されているクラウドツール「Mconnect」には、衛生講話や各種の準備に関する資料が揃っていますので、安心して産業保健活動を進めることができました。
また、活動を進めていく上でちょっと確認したいことがあれば、カスタマーサポート担当の方に相談できるため、助かっています。
4つの事業場で同じ産業医を選任されていますが、感じている効果があれば教えてください。
4事業場で同じ先生に産業医業務を行なってもらっていることによって、大きなメリットを感じています。
具体的には、一人の産業医が各事業場の状態や課題を把握してくれているため、人事・衛生担当者とのスムーズな連携ができています。
また、産業医の活動内容としても、横浜(本牧)の事業場で行なった衛生講話をオンラインで配信するなどして、多拠点で取り組むことにしています。
衛生講話のテーマは時宜に合ったものを取り上げてもらい、例えば夏場に備えた6月では「熱中症」。そして、ストレスチェックを8月に実施しますので、7月は「ストレスチェック」を衛生講話のテーマにしてもらうなど、効果的にすすめています。
ストレスチェックやチームワークを大切にしつつ、健康経営をすすめていきたい
その他、注力されている産業保健活動について教えてください。
健康診断と同様に、ストレスチェックも健康経営を進める上で大切にしている活動です。
先ほども申し上げましたが、繁忙期には従業員の負担も増えますので、メンタルヘルス不調対策についてはさらなる強化を行なっています。
よって、ストレスチェックの機会を活用し、もし不調が発見された場合でも、産業医と連携し早期に対応可能な仕組みが出来ております。
産業保健活動・健康経営について、今後の意気込みをお聞かせください。
当社には、チームワークを大切にする文化がありますので、健康経営に関しても、全社的な取組みとして行なっています。
そして、選任した産業医の先生にはとても勉強家でして、当社の事業や社風について理解を深めてくれています。
ですので、今後も産業医の先生からアドバイスをもらいつつ、健康経営を推進していきたいですね。