ゲームや玩具、アミューズメント、映像や音楽など、エンターテインメント分野で幅広い事業を展開するバンダイナムコグループ。株式会社バンダイナムコビジネスアークは、グループの管理戦略を立案し、シェアードサービスを提供するコーポレート機能会社です。グループ全体の健康課題や健診予約業務について、人事部健康推進室の澄川さん、石毛さんにお話を伺いました。
澄川さん:株式会社バンダイナムコビジネスアーク人事部健康推進室マネージャー。株式会社ナムコに入社後、人事部やグループ内事業会社の管理業務に従事し、2022年より現職。 石毛さん:株式会社バンダイナムコビジネスアーク人事部健康推進室チーフ。株式会社ナムコに入社後、アミューズメント事業に10年携わり、2007年より現職。 |
バンダイナムコグループ23社の健康管理を担う「人事部健康推進室」

健康推進室の様子
バンダイナムコグループにおける「人事部健康推進室」の役割を教えてください。
澄川さん:人事部健康推進室では、現在グループ内23社に対して健康管理業務のサービス提供を行っています。具体的には健康診断やストレスチェック、衛生管理、長時間労働者面談、健康相談や療養者への対応などですね。
2023年度からは「健康経営」というキーワードを掲げて、健康イベントの実施や、各社毎の課題に合わせた研修やイベントを実施してきました。まだまだ手探り状態なので、バンダイナムコらしい健康経営の提案ができるよう、試行錯誤している段階です。
「健康経営」の推進において、グループ各社との連携で課題に感じていることはありますか?
石毛さん:当グループはエンターテインメント業界の多岐にわたる事業領域を持ち、従業員の職種も多種多様です。そのため、各社の健康課題も異なり、共通の施策と各社個別の施策をバランスよく実施することが求められます。
また、健康経営の推進がなぜ必要なのかを経営層へ共有し、連携しながら進めることが重要であると考えています。
澄川さん:人事部健康推進室は、グループ各社に対してトップダウンで健康経営を押し付けるのではなく、経営層や管理部門の皆さんとともに歩む関係性を大切にしています。
そのため、グループ各社の従業員が健康に対する意識や関心を高められるような施策を実施するために、健康推進室の産業医や保健師と連携して検討していきたいと考えています。
健診予約代行サービスにより事務作業時間が大幅に削減
健診予約代行サービスをご利用いただいた感想を教えてください。
石毛さん:8年ほど利用させていただいていますが、予約から日程変更、未受診者の勧奨まで対応していただき、大変助かっています。
当グループは加入している健康保険組合が各社で異なるため、健診予約から受診までのフローや必要書類がバラバラで、手続きがとても煩雑です。健康診断に関わる業務をまとめて一括で代行していただけるので、事務作業時間が大幅に削減されました。
8,000人近い従業員の予約を追いかけるのは非常に大変ですよね。
石毛さん:そうですね。以前は健康保険組合や健診機関とのやり取りも対応していましたが、グループ会社が増える中で「より良い方法はないだろうか」と検討し、外部委託を開始しました。
従業員一人ひとりの受診状況を年度末ぎりぎりまで追いかけてくれるおかげで、グループ全体での健診受診率は毎年ほぼ100%達成できています。
従業員の業務状況などにあわせて、「この従業員には来月頃に連絡してほしい」など、細かい依頼にも柔軟に対応していただけるのがありがたいです。
健康診断後の事後措置はどのようなフローで行っていますか?
澄川さん:バンダイナムコ独自の健診結果判定基準を設けて、リスクが高い人はすぐに産業医面談につなげるようにしています。今すぐ産業医面談につなげなくてはいけないというケースは頻繁には発生しませんが、手遅れにならないよう保健師からこまめに二次検査の受診勧奨を行ったり、保健師面談を設定するなど、産業医と保健師でタッグを組んでアプローチしてもらっています。
海外出向者の健康診断管理はどのようにされているのでしょうか。
石毛さん:これまでも海外出向者に健診案内をしていたものの、法的な義務はないこともあり、積極的な受診勧奨はしていませんでした。しかし、国内外問わず従業員の健康リスクの早期発見・早期対応につなげるため、今年度からは海外出向者も必ず受診勧奨を強化する運用に変更しました。
「楽しみながら健康意識を育む」エンタメ企業ならではの健康推進施策

年に1度開催している「健康フェスタ」の様子
グループ全体で共通する健康課題があれば教えてください。
澄川さん:グループ各社によって健康課題はさまざまですが、若手から中堅層のメンタルヘルス不調が多い傾向があります。そのため、新入社員研修や新任管理職研修では保健師によるセルフケアやラインケアのセミナーを実施している会社もあります。その他にも、各社の課題にあわせた研修や施策を健康推進室から各社へ提案を行っています。
石毛さん:フィジカル面では、朝食を食べない従業員が多いことが心配です。また、寝る直前に食事を摂ったり、運動不足だったりする従業員も多いようです。若いうちは問題がなくても、将来的に生活習慣病のリスクが高まることが予想されるため、早めの対策が必要だと感じています。
従業員の健康意識改善のために取り組まれていることはありますか?
石毛さん:年1回、従業員の健康意識を育むために「健康フェスタ」を開催しています。体成分測定の他に、野菜の摂取量や疲労度測定、身体の歪みチェックなど、普段の健康診断では測定できないメニューを用意しています。特に女性の従業員からは肌診断が好評でしたね。4日間開催したのですが、待ち時間が出るほどの盛況でした。
澄川さん:参加者同士で測定結果を見せ合ってワイワイ盛り上がっていましたね。「筋肉量がこんなに少ないなんて…」とショックを受ける参加者もいましたが、運動や休養を大切にするきっかけづくりの場になればいいなと思います。
やはり、エンタメの会社なので「楽しめる要素」を取り入れながら、従業員が自分の健康に興味関心を持つようにこれからもさまざまな施策に取り組んでいきたいです。
従業員一人ひとりが自律的に健康管理を行う組織を目指して

バンダイナムコグループの社員食堂
健康経営の推進において、今後の展望を教えてください。
澄川さん:従業員のヘルスリテラシーを高め、一人ひとりが「自律的健康管理」ができている状態を目指したいです。従業員自身が自らの健康を管理できるようになることで、更なるパフォーマンスの向上につながると期待しています。
そのためにも、今後は予防や早期発見に重点を置いていきたいと考えています。われわれ人事部健康推進室は「何らかの不調が発生した時、重症化した時に相談する場所」ではなく、「毎日を健康でイキイキと過ごすために、情報発信やサポートをしてくれる場所」というように前向きな存在にならなければいけないと感じています。
従業員が楽しみながら健康と向き合えるよう、産業医や保健師、外部サービスと連携しながら、今後は食生活の改善や運動促進などのさまざまな働きかけもしていきたいと考えています。